源氏物語と怪獣大戦争マーチ
先日、京都放送の開局65周年記念企画で、65年前つまり1951年の邦画を三本続けて放映してくれました。ラインナップは
松竹の「カルメン故郷に帰る」
東宝の「白痴」
いずれも邦画の名作ってされているらしいのですが、「カルメン故郷に帰る」は一度テレビで見たことがありますが、これは確かに面白かった。
二十歳そこそこのころに見たと思うのですが、古い邦画ってこんなにおもしろいのかって腹を抱えて笑った記憶があります。
放送が深夜だったので三本とも録画して、今日そのうちの「源氏物語」を鑑賞しました。
長谷川和夫主演のモノクロ映画でしたが、ストーリーははっきりいって今ひとつでしたけど、映像がエロい!
御所に使える女房たちの着物の着こなしがなんとも色っぽい。
今の映画にでてくる平安貴族は、それこそお雛様みたいですけど、はるかに生々しい。
肌の露出は殆ど無いんですけど、ちょっと胸元がはだけているところなんか、もうしびれましたわ。
と、改めて昔の先輩方のスケベ心に感心することしきりだったのですが、この映画で一番驚いたのは別のところ。
光源氏が家来を連れて馬で駆けて行くシーンがあったのですよ。
白馬にまたがった源氏がさっそうと駆けて行き、たまたま見つけた庵で紫の上と出会う、っていう重要なシーンに続くところなんですけどね。
そこで流れていたBGMがこれだったんですよ。
怪獣大戦争マーチ Invasion of Astro-Monster
こんなフルオーケストラじゃなかったですけど、メロディーは確かにこの一度聞いたら忘れられない軽快なマーチ。
タイトルクレジットに音楽監督 伊福部昭って書いてありましたから、
え、先生こんなの使いまわしてるの?!って思ったんですけど、考えてみたらこの映画は1965年封切りなのに対し、源氏物語は1951年の作品ですよ!
こっちの方が早かったんですねぇ。
びっくりしましたが、ググってみるともともとこの曲は帝国海軍の依頼により作成した古典風軍楽の一部だったんですって。
なるほどね、とは思いましたが、白馬に乗った王子様が登場するシーンでこの曲はやっぱり「これは違うやろ」感があります。
オロチ退治にでかけるってんならまだしも、これから愛人と出会うってシーンですよ。
この音楽聴きながら想像してくださいな。
白塗りの長谷川和夫が公家の装束で白馬にまたがって草原をかけてる姿。
いかが?