世話人日記

「プチ・ブルベ山城100km」の公式ブログです。

新・車社会論 第3部より 「夢の「走る家」軽で実現」

前にも紹介した読売新聞の連載「新・車社会論」いつのまにか第三部まで進んでいたようです。
第三部の副題は「暮らしを乗せて」とあります。生活の中の自動車について論じられているんでしょうか。
今回気になったのは、10月17日の記事です。http://www.yomiuri.co.jp/atcars/feature/syakai/20071017sya01.htm
記事前段はカーシェアリングの話で、クルマを個人で所有するのは無駄だと思っている人が増えて来ているのは、日本の車社会も成熟して来た証だ、とかいうことが書かれてました。
これは、よし。
気になったのは、記事の後半。「夢の「走る家」軽で実現」とサブタイトルが付けられた段です。
軽自動車を改造したキャンピングカーが団塊世代を中心に静かなブームになっている、とのことが紹介されてたんです。
夫婦二人で日本一周旅行をしている方の紹介もありましたけれども、なんとも物悲しくなってしまいました。
 
旅は、一時とは言え、日常から離れて非日常の世界に遊ぶ事がその醍醐味だと思っています。電車で行こうが自転車で行こうが、あるいはちょっとした散歩でもそうだと思うんですが、「家(生活)から離れる」ということが値打ちなんじゃないかな?そこが楽しいんじゃないかな?って思ってます。
ところが、オートキャンプをされてる方の多くは、ちょっとちがうようです。とても乏しい経験ですが、私が見知った限りでは、オートキャンプをなさってる方の大多数は「家を離れる」というより「家を外に持っていく」ことしかしていないように思えてしまうのです。
何に楽しみを見いだすかは人それぞれですから、他人からとやかく言われる筋合いは無い、ってことはわかります。
ですが、定年退職後に、せせこましい軽自動車に夫婦の「生活全てを」載せて走ってしまう、載せて走ってしまえるのは、なんとも寂しいんです。
そこには旅の開放感も、非日常もないように思えてしまいます。家がそのまま動いているだけにしか思えないんです。
 
ささやかな幸せ、とか、慎ましい暮らしの中に喜びを見いだす、とか言う事を否定するわけではありません。むしろ、私はそっち側の人間です。
でも先の例は、そういうのとはちょっと違うように思えます。
 
なにかしら、痛々しいものを感じてしまうのですよ。